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- 【6年ぶりの特別公開】明治天皇と昭憲皇太后の御料車を見学しよう!(2024年10月12日〜10月27日)
2024/10/13
【6年ぶりの特別公開】明治天皇と昭憲皇太后の御料車を見学しよう!(2024年10月12日〜10月27日)
明治村では、2024年10月12日〜10月27日までの期間中、明治天皇と昭憲皇太后が使用した「御料車」の内部を6年ぶりに特別公開します。
通常は内部非公開で、外観のみ見学ができます。しかし、今回の特別公開では、見学用柵の中に入ることができるだけでなく、デッキ部を通って2両の御料車の車内も見学できます。
ぜひこの貴重な機会をお見逃しなく。
「御料車(ごりょうしゃ)」とは?
御料車とは皇室専用の特別列車で、天皇や皇后が公式行事や旅行の際に使用した車両です。御料車は、一般の列車と異なり、皇族のために特別に設計され、豪華な内装と当時の最先端の技術が施されています。
昭憲皇太后御料車(5号御料車)
「昭憲皇太后御料車(5号御料車)」は最初の皇后用御料車として明治35年(1902)に製造された総重量約22トンの木製2軸ボギー車で、内部には帝室技芸員の橋本雅邦と川端玉章が手掛けた天井画や、昭憲皇太后の実家・一条家の家紋である藤があしらわれた意匠が布やガラスに使われるなど、華麗な装飾が施されています。
車内は、大膳室(調理室)、女官室、御座所、寝室、厠、供奉員室に分かれ、女官室にご乗降口があります。御座所は車体の中央部に配置され、内装は欅材で、天井は桐柾目の板で構成されています。中央には大型ソファが置かれています。外板は製作当初、深紅色のペンキ塗りでしたが、大正4年(1915)から大正5年(1916)にかけて漆塗りに改められました。
見どころポイント
①天井画
「昭憲皇太后御料車(5号御料車)」の装飾でまず目を惹くのが、御座所・女官室・御寝室の天井画です。天井画は桐柾目の板に直接描かれており、御座所には川端玉章が描いた「帰雁来燕(きがんらいえん)」、女官室と御寝室には橋本雅邦による「桜花紅葉」が描かれています。これらの作品は、皇室の品格と日本美術の粋を凝縮し、御料車の内部を荘厳で華麗な空間に仕立て上げています。
②玉座(椅子)
玉座は、華やかなエンジ色の絹緞子地に藤花文様の布で張られ、ひだを取ったボタン留めに豪華なフリンジが施されています。椅子には、菊花の御紋と菊唐草文を刺繍した背当て布が掛けられ、濃厚なエンジ色と金色のコントラストが一層華やかさを引き立てています。これらの装飾が、欅の板目に拭き漆を施した車内と調和し、重厚かつ気品ある雰囲気を醸し出しています。
明治天皇御料車(6号御料車)
「明治天皇御料車(6号御料車)」は、明治43年(1910)に製造された天皇専用の木製3軸ボギー車です。「走る宮殿」と称されるこの車両は、豪華な内装と優れた工芸技術が光り、特に内装には当時の最高級の材料、高度な技術を用いた華麗な装飾が際立っています。
車内は、大膳室、御座所、御座所の両側に配された侍従室、寝室、厠で構成され、御座所の玉座の背面には侍従室が往来するための通路があります。
引戸には桐と鳳凰、桐と蝶の図が螺鈿と高蒔絵で描かれています。
見どころポイント
①天井
御座所と侍従室の天井には、帝室技芸員である川島甚兵衛をはじめとする西陣の織物師たちによって製作された「蜀江錦(しょっこうにしき)」が張られています。この蜀江錦は亀甲模様の中に菊花の御紋があしらわれた精巧なデザインが特徴です。また、玉座の窓上部にある幕板には、幸菱文を織り出した大和錦に、金糸で菊花の御紋と桐の模様が刺繍されています。
さらに、御座所の出入口上部の櫛形には、名古屋の安藤重兵衛が手がけた七宝焼の二羽の鳳凰が、菊花の御紋を中心に対面しています
②装飾
「明治天皇御料車(6号御料車)」の装飾は「菊花」「桐」「鳳凰」が多用されているのが特徴です。「菊花」は、皇室の紋章として用いられています。「桐」も同様に皇室の紋として使われ、瑞鳥である鳳凰が桐の木に棲み、竹の実を食べるとされていることから、桐と鳳凰の文様は高貴さを象徴し、天皇や上皇の御服の意匠などに伝統的に用いられ、皇室の象徴となっています。
御料車の装飾は、ただの豪華な記念碑ではなく、明治宮殿や赤坂離宮などの造営と共に、近代日本の美術工芸に大きな貢献を果たしています。また、江戸時代までに培われた日本の伝統技術を後世へと伝える重要な役割を担っています。
華麗な装飾と緻密な技術が融合した御料車は、明治時代の息吹を伝える歴史的遺産です。ぜひ今回の特別公開を通じて、明治期の技術力の高さに触れてみてください。
明治天皇御料車・昭憲皇太后御料車特別公開
明治村では2024年10月12日(土)〜10月27日(日)の期間中、明治天皇御料車・昭憲皇太后御料車の特別公開が行われます。
期間 :2024年10月12日(土)~10月27日(日)
時間 :①10:30~12:00 ②13:00~15:00
会場 :鉄道局新橋工場(博物館明治村内)
参加料:無料(入村料は別途必要)
協力 :東海旅客鉄道株式会社
儀装車の特別公開も要チェック!
儀装車特別公開
2024年11月2日〜17日まで、札幌電話交換局付近で儀装車の特別公開が行われます。豪華な装飾が施された儀装車を間近で見る貴重な機会です。
期間 :2024年11月2日(土)~11月17日(日)
時間 :10:30~14:30
会場 :札幌電話交換局付近(博物館明治村内)
参加料:無料(入村料は別途必要)
※記事は、2024年10月18日現在になります。
INFORMATION
【博物館明治村】
住所 |
愛知県犬山市字内山1番地 |
---|---|
営業時間 |
月毎に変更します。詳細はHPでご確認ください。 |
定休日 |
不定休。詳細はHPでご確認ください。 |
電話番号 |
0568-67-0314 |
料金 |
大人 2500円 高校生(要学生証) 1500円 小中学生 700円 |
公式サイトURL |
http://www.meijimura.com/ |
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