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国内最大級の鉄道博物館「鉄道博物館」で、鉄道の歴史を学ぼう!

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おでかけ 明治時代の文化

2023/02/14

国内最大級の鉄道博物館「鉄道博物館」で、鉄道の歴史を学ぼう!

メイジノオト編集部

記者

メイジノオト編集部

今回メイジノオト編集部は、鉄道開業150周年企画のひとつとして、埼玉県さいたま市にある「鉄道博物館」に行ってきました。

鉄道博物館は、JR東日本創立20周年記念事業のメインプロジェクトとして、2007年に埼玉県さいたま市大宮区に開館。明治時代から現代までの鉄道史を代表する42両の鉄道車両や、約67万件の鉄道関連資料が展示されています。

その他、本格的なシュミレーター、国内最大級の鉄道ジオラマ、トレインレストランなど、鉄道の過去から現代までを楽しみながら学べる施設です。

「鉄道博物館駅」から徒歩1分

鉄道博物館にやってきました。JR大宮駅よりニューシャトル「鉄道博物館駅」下車、徒歩1分とアクセス抜群です!

プロムナードの床には、昔の東北新幹線の時刻表が!

天井には列車の運転時刻を表す「ダイヤグラム」の装飾

D51形蒸気機関車(カットモデル)記念撮影にぴったり!

駅から博物館までのプロムナードには、鉄道好きにはたまらない仕掛けが満載です。

館内に入ったら、床面に注目!

館内床面にはエントランスを起点「0」として、「メーターポスト」が設置されています。

1号機関車から新幹線まで36両を展示
「車両ステーション」

まずはエントランスすぐの場所にある「車両ステーション」へ!1号機関車から新幹線まで36両を展示しています。

1号機関車(150形蒸気機関車)

1号機関車(150形蒸気機関車)|1871(明治4)年製造

鉄道の歴史を学ぶ上で欠かせないのが「1号機関車(150形蒸気機関車)」です。

1872(明治5)年、日本で最初の鉄道開業の際にイギリスから輸入されました。「国の重要文化財」「鉄道記念物」にも指定されています。

このタンク式機関車は2軸客車約10両を引き、最高速度約50km/hで走行。新橋〜横浜間を53分で走りました。それまでの駕篭(かご)や徒歩に比べると、驚異的ともいえるスピードと大きな輸送力をそなえ、鉄道は日本の近代化のシンボルとなったのです。

驚きなのは、レール幅は鉄道が開業した約150年前から変わっていないということ!レールの幅は「軌間(きかん)」と呼ばれ、幅は1,067mmです。

1872(明治5)年に開業した新橋駅の様子も再現されています。ぜひ明治期にタイムスリップした気分で、1号機関車を眺めてみてくださいね。

そして、鉄道の「乗車券(きっぷ)を購入した人が誰でも利用できる」という制度は、明治維新後の日本に大きな影響を与えました。

明治維新の「四民平等」「文明開化」を誰でも体感することができる象徴的な存在だったのです。

弁慶号機関車(7100形機関車)

弁慶号機関車(7100形機関車)|1880(明治13)年製造

こちらの「弁慶号機関車(7100形機関車)」も明治時代の機関車です。

1880(明治13)年の北海道最初の鉄道・幌内鉄道の開業に際して、アメリカのH.K.Porter社で製造された小型のテンダー式機関車です。外国では機関車に名前をつけることにならい、「義経」「弁慶」と北海道にゆかりのある歴史上の人物の名前がつけられました。

イギリス製の1号機関車と比較すると、かなりワイルドですよね!

こちらは線路へ立ち入った動物へのガードの役割を果たす「カウキャッチャー」。

カウキャッチャーの他にも、沿線に火の粉が飛ばないよう煙返しのついたダイヤモンドスタック煙突、町中で周囲に注意を促すための警鐘など、西部劇に登場しそうなアメリカンスタイルが特徴です。

開拓使号客室(コトク5010形)|1880(明治13)年製造

木製の客車もアメリカ製です。デザインがかなりアメリカンスタイルですよね!

「開拓使号」と名付けられ、北海道を開発するために設けられた役所・開拓使の長官・黒田清隆や、内地から訪れる高位高官の乗車用として使用されていました。

車内には、日本で初めて車両内に設置された洋式トイレが残されているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

鉄道車両年表

「車両ステーション」2階にある、鉄道車両年表も要チェックです!

鉄道に関する主なできごとと、その年代の代表的な車両の模型が展示されています。先ほどご紹介した「1号機関車(150形蒸気機関車)」も!

日本の鉄道の歴史約150年が知れる
「歴史ステーション」

鉄道の歴史をより知るべく、3階にある「歴史ステーション」へ!

日本に鉄道が誕生してから約150年。日本の鉄道技術の進化の過程を、実物資料や写真で見られます。

大きく6つの時代に区分し紹介しています。

明治維新後、鉄道技術が発展していたイギリスから、資金・技術・人材などあらゆる協力を受け、鉄道という「システム」を丸ごと輸入しました。

測量などの道具もすべてイギリスから輸入していたというから驚きです。

「1号機関車」のコーナーでもご紹介した、乗車券制度。

鉄道の運賃は、上等・中等・下等の3等級に分かれていましたが、乗車券を購入すれば身分や職業に関わらず誰でも利用できました。

鉄道が明治維新の四民平等に影響を与えていたんですね。

リアルに再現された駅は、フォトスポットとしても大人気!

6つのエリアには「より速く、より快適に移動したい、多くのものを運びたい」と奮闘した、鉄道マンたちの情熱と技術の進化が詰まっていました。

鉄道の歴史を知りたいという方は、必見のコーナーです!

歴史だけじゃない!
「鉄道博物館」のみどころポイント

もちろん鉄道博物館で学べる&楽しめるのは歴史だけじゃありません!

ここからは鉄道博物館のみどころや楽しみ方をピックアップしてご紹介していきます。

「車両ステーション」のおすすめ3両

大正ロマンの雰囲気が味わえる「ナデ6110形電車(ナデ6141号電車)」

ナデ6110形電車(ナデ6141号電車)|1914(大正3)年製造

36両ある車両の中でも、特におすすめな3両をご紹介します。

まずは「国指定重要文化財」にも指定されている「ナデ6110形電車(ナデ6141号電車)」。中央本線・山手線の電車区間で活躍しました。

大正3年製造ということもあり「あのアニメに似ている!」と人気なのだとか。

旅行気分が楽しめる「キハ41300形気動車」

キハ41300形気動車|1934(昭和9)年製造

続いては「キハ41300形気動車」。

車内では小海線の車窓の映像が映し出されています。まるで昔の列車で旅行をしているような気分が味わえるんです!

東海道新館と共に誕生した「21形新幹線電車(0系電車)」

21形新幹線電車(0系電車)|1964(昭和39)年製造

1964(昭和39)年の東海道新幹線の開業にあたり0系電車。マイナーチェンジを繰り返しながら、1986(昭和61)年までの間に3,216両が製造され、長く新幹線の顔として君臨しました。「新幹線と言えば0系のイメージ」という方も多いのでは?

大人気の体験プログラム

体験プログラムが充実しているのも鉄道博物館の魅力!

※予約が必要なプログラムや、一部有料のプログラムもありますのでご注意ください。
※予約が必要なプログラムには、「てっぱく抽選アプリ」で予約が必要なものもあります

山手線内回りの実写映像を使用「205シミュレータ」

山手線内回りの実写映像を使用している「205シミュレータ」。100インチの大型スクリーンが並び、迫力の前面展望を体感できます。

最高時速320km/hの運転を体験「E5シミュレータ」

2011(平成23)年に営業運転をスタートしたE5系。

高速試験車FASTECH360による試験の成果を生かし、加速・ブレーキ性能向上のほか、カーブ通過時の乗り心地を良くするための車体傾斜装置や、車内外の騒音対策により最高速度320km/hでの運転を実現しました。

シミュレーターでは、最高時速320km/hの運転を体験できます。

蒸気機関車特有の振動も再現!「D51シミュレータ」

こんなに本格的な体験も!

シリンダー圧力計、ボイラー圧力計、給水ポンプ圧力計、水面計、ブレーキ圧力計、速度計などが運転に連動して動作する本格的なシミュレータです。

動揺装置による、蒸気機関車特有の振動も再現しています。

実際の運転シーンを体験「ミニ運転列車」

小学生に大人気なのが「ミニ運転列車」。

1周300m・線路幅600mmのコース。自分で列車を運転し、「万世橋」「飯田町」「汐留」「両国橋」駅を巡ることのできる体験展示です。(所要時間:約6分)

3人乗りミニ車両なので、親子で一緒に乗車できますよ!

国内最大級の鉄道ジオラマ

2017(平成29)年にリニューアルした鉄道ジオラマ。幅約23m×奥行約10m、HOゲージ(在来線1/80スケール、新幹線1/87スケール)では国内最大級です。

解説員が解説しながら模型車両を運転する「解説プログラム」も大人気!

鉄道の原理・しくみを楽しく学べる
「科学ステーション」

自分をひっぱりあげよう〜摩擦トロッコ

カーブをうまく曲がる工夫はなに?〜曲がれる車輪と曲がれない車輪

「鉄道車両はどうやって走っているの?」「なぜ列車どうしはぶつからないの?」など、鉄道のさまざまなしくみを科学の視点で紹介。

体験装置を通じて、鉄道の原理やしくみを楽しく学べます。

小さなお子さんが安心して遊べる!
「キッズプラザ」

小さなお子さんにおすすめなのが「キッズプラザ」。

プラレールで遊べる「プラレールゾーン」、クレヨンで自由に絵を書ける「おえかきゾーン」、カラフルなラッピングカラーが印象的な103系電車など、お子さんが楽しめるゾーンが充実!

キッズカフェも併設しているので休憩タイムにも◎

鉄道気分で食事が楽しめる!

駅弁屋&ランチトレイン

鉄道博物館では、食事も鉄道気分で楽しめるんです!

館内には2つの「駅弁屋」があり、それぞれ車内で飲食が楽しめる455ランチトレインと、183ランチトレインを併設。定番の駅弁や鉄道博物館オリジナルなど、さまざまな駅弁を電車旅気分で味わえます。

トレインレストラン 日本食堂

本館2階にある食堂車をテーマにした「トレインレストラン 日本食堂」。

明治32(1899)年に日本初の食堂車が誕生し、昭和13(1938)年に「日本食堂」が誕生しました。食堂車で人気のあった「ビーフカレー」や「スペシャルハヤシライス」など、復刻メニューが味わえます。

ビューレストラン

南館4階にあるカフェレストラン「ビューレストラン」は、すぐ横を走り抜ける新幹線を眺めながら食事ができちゃいますよ。新幹線好きは要チェックです!

屋上展望スペース「パノラマデッキ」

お天気の良い日は、ぜひ「パノラマデッキ」へ。約300度の大パノラマが広がる屋上展望スペースです。

新幹線と在来線が同時に見られる、国内でも珍しいスポットなんです。新幹線の通過時刻表も設置されていますよ。

最後はミュージアムショップでお買い物

最後はミュージアムショップでお買い物。鉄道に関するさまざまなグッズを取りそろえています。鉄道博物館オリジナルグッズは、お土産にもぴったり!

今回は、鉄道開業150周年企画のひとつとして、埼玉県さいたま市にある「鉄道博物館」をご紹介しました。鉄道の過去から現在まで、大人も子どもも楽しく学べるスポットです。ぜひ足を運んでみてくださいね!

INFORMATION

鉄道博物館

所在地

埼玉県さいたま市大宮区大成町3丁目47番

営業時間

10:00~17:00(最終入館16:30)

定休日

毎週火曜日、年末年始

電話番号

048-651-0088

公式サイトURL

https://www.railway-museum.jp/

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メイジノオト編集部

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