この建物は、明治20年(1887)皇宮警察署庁舎として着工されたものですが、工事中に用途が変更され、宮城の守護と儀仗に当たる近衛局(明治22年に近衛師団と改称)の本部となったもの。付属舎であるこの建物は、その右側にあるに2階建て本館と湯沸所兼渡り廊下でつながっていました。皇居内の隣接する宮内庁庁舎は、ジョサイア・コンドル(1852-1902)の設計によるものですが、この近衛局に関しては設計者は明らかになっていません。明治44年(1911)に師団本部が移転したため、皇宮警察本部がここに移り、坂下護衛署として使用されました。
建物は木造平家建ての瓦葺きで、内と外の壁は白漆喰で塗られています。基壇は石造で、アーケード式のベランダが軽快な印象を与えます。
近衛局本部付属舎