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館長ごあいさつ

第六代 明治村館長

中川 武Nakagawa Takeshi

第六代 明治村館長

中川 武Nakagawa Takeshi

中川館長は早稲田大学大学院博士課程を修了された後、
比較建築史、文化財建造物の保存修復技術の研究を
ご専門にされています。

大学で教鞭を執るかたわら、
1994年からは日本国政府アンコール遺跡救済チームの団長に就任。
博物館明治村の館長には2014年に就任されました。

- Greetings -

懐かしさと新しさの発見
-博物館明治村の現在を皆様とともに

2020年と2021年は博物館明治村にとっても、コロナのパンデミックの中で、できることを粛々とするばかりでしたが、その間隙を縫って来村して下さった方々から「明治村が開村してくれていて、ありがとう」とおっしゃっていただいたことがありました。その言葉に、私たちはとても励まされたと同時に、このような深刻な事態や近年頻発する線状降水帯による大雨の被害等々を考え合わせると災厄や災害に襲われるたびに、じっと耐え忍んでやり過ごすだけでは駄目なのではないか、という気持ちにもなってきます。

もちろん、重大な疫病や災害のために人類は何度も悩まされ、鍛えられ、そのたびに甦ってきたともいえるのです。しかし、最近起こる災禍の頻度の高さは、どこかおかしいのではないだろうかと思うほどです。広い眼で見れば、現代文明や文化の基にある自然環境、食糧だけでなく、もの全体の生産の方法、私たちの生活様式や考え方までが、いつの間にか気付かぬうちに変わってきて、コントロールが効かなくなっているのが現代ではないかと思われてくるのです。というのは、人間は自然から生まれ、自然から離れることによって、空間だけでなく時間も制御するようになり、現代文明では、眼に視えないAI(人工知能)が私たちの生活をコントロールし、高度な利便性を獲得してきました。しかし人間はどこまでいっても自然である身体から離脱することはできません。人類としての人間の普遍性は、自然に支えられていることに起因する自然的秩序からもたらされるのであって、自然そのものも人間相互の共同性の関係も自然的秩序が基になっていることと考えられます。

世界自然遺産はほぼ手つかずの自然から成り立っています。本当に素晴らしい。しかしそれはたまに見るからであって、そこで人間は生活のための利便性を得ることができないので、生きることができません。では、人工の極地のような未来的世界はどうでしょうか。そこでは未知の刺激に満ちているようで、ワクワクします。しかしそれは人間が極力自然から離れることによって可能になる世界です。同時に未知のウィルスや信じられない人間の行動や気候変動では済まされない天変地異を免れないでしょう。いつの時代でも、どこの社会でも、人間の働きかけによる自然と人工の、言い換えれば伝統と近代との各々に相応しい調和的関係の構築を目指してきたのです。

日本の歴史の中で、明治時代は長い伝統と近代がせめぎあう、人生で言えば青春のような激しい時代でした。そしてその時代を冷静に視ていけば、日本に相応しい自然と人工との調和的関係の構築の時代でもありました。博物館明治村では、放っておけば消失してしまう文化財建造物を、元あった土地の環境を極力重視し、入鹿池湖畔の変化に富んだ敷地と多種多様な建造物で街並みを形成することによって、明治の都市が豊かでかつ多様な自然との交換の上に成立していたことを感じ取っていただきたいと思っています。

また歴史資料・家具・内装なども含めて個々の建造物を、そこでの生活に想いを羽搏かせていただくとともに、解体修理によって判明した工法の謎などを積極的に発信し、建物の技術やデザインにも自然の感覚が息づいていることを見てもらいたいと考えています。現代の人気アニメの主人公は、ある意味で刺激的な現代文化の最先端かもしれません。彼らの眼を借りて博物館明治村の、たとえば風や光が眼に視える建築の構成やデザイン、植物や動物の自然のモチーフが装飾として生かされている様子を視ると、即ち眼に視えない人工の世界から自然が視える=生きていることを実感し、懐かしさの中に新しさを発見できるのではないでしょうか。
コロナを乗り越える第一歩を皆様とともに!

博物館明治村 館長 中川 武

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中川 武氏 プロフィール

1944(昭和19)年5月生
工学博士 早稲田大学名誉教授
専門:アジア、日本を中心とした建築史。

略歴

1984年 早稲田大学理工学部 教授
1994年 日本国政府アンコール遺跡救済チーム(JSA) 団長
1995年 フエ・ユネスコ会議 国際専門委員
(現地復興の国際的リーダーとして活動)
1998年 カンボジア王国よりJSA団長の活動に対して
「サハメトレイ王国勲章」受章
2015年 早稲田大学定年退職 名誉教授就任

主な研究・成果

『世界宗教建築事典』
『アンコールの神々BYON』
『数寄屋の森』
『建築様式の歴史と表現:
いま、日本建築を劇的に』
『日本の家』『日本の古典建築』

その他

主な研究テーマは、「日本建築の技術と表現」
「建築研究及び復原、発掘調査」
「東南アジア文化財建造物の調査研究及び保存修復」。

明治村の歴代館長

谷口 吉郎

一代

谷口 吉郎

1965年3月~1979年2月

関野 克

二代

関野 克

1979年6月~1991年6月

村松 貞次郎

三代

村松 貞次郎

1991年6月~1997年8月

飯田 喜四郎

四代

飯田 喜四郎

1997年12月~2010年3月

鈴木 博之

五代

鈴木 博之

2010年4月~2014年2月

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