ペディメント

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建築 歴史

2026/09/17

ペディメント

明治村学芸員

記者

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二十四節気にそえて 15

 

<白露> 暑さが止み、新涼(秋の始めの涼気)が間近い日。(広辞苑)

 

ペディメントのようなものと本物のペディメント

 

<ペディメントをほうふつとさせる装飾>

(写真 川崎銀行本店)

少し前に、川崎銀行本店の入口の上にある「川」を取り上げました。
当初は「ペディメントの中央にあるメダリオンに「川」の文字が描かれている…」と、考えていたのですが…「いや、待てよ?」と気づいたのです。
建築に詳しい方ならすぐおわかりだったかもしれませんが、よく見ると三角形の中に装飾があるのではなく、三角形を連想させられる装飾の中に「川」の字のメダリオンが配置されていました。
「川」の文字の下部には力強い花綱(ガーランド)飾りが水平に伸び、メダリオンの頂部にはアカンサスの葉飾りが垂直に伸びています。完全な三角形ではありませんが、一見するとペディメントのように見せる、錯視効果なのかもしれません。

 

<本物のペディメント>

(写真 内閣文庫)

そして隣の建物に目をやると、立派なペディメントを冠する内閣文庫が凛とした佇まいで構えています。
内閣文庫は、日本の伝統的な書物文化を守り伝えた国家のアーカイブとして明治時代に誕生しました。そして明治政府の中央図書館として1911年に建てられました。
正面の上部のペディメントを見上げると、立体的なレリーフを見ることができます。
細部を丁寧に見ていくと、三角形を縁取るように、デンティルと呼ばれる歯型の装飾が施されています。
中央のメダリオン(カルトゥーシュとも呼ばれる)は、中央には水滴や花弁、あるいは玉とも見える装飾がなされています。そのすぐ上には巻物状の「ヴォリュート」、頂部にはロカイユという貝殻模様、さらに連続したアカンサスの葉模様が、三角形の隙間を埋めています。建物全体から見れば小さな空間ですが、意匠が凝縮された見ごたえのある場所となっています。

 

<オリジナルのメダリオンはどこに?>

内閣文庫の明治村への移築に際して、内閣文庫のペディメントの装飾は複製され、現在の建物正面で威容を誇っています。ではオリジナルはどこでしょう…?
実は正門からしてすぐの場所にある「モニュメント」に使われているのです。「明治〇〇年〇月〇日」という日付看板の後ろに、金沢監獄正門の門扉の間にあるのが、内閣文庫のオリジナルのメダリオンです。
実際の建物では高い位置にあるので、仔細にご覧いただくのは難しいですが、ここでは間近でじっくりご覧いただくことができます。

 

このメダリオンは、記念写真の背景だけではなく、知らず知らずのうちに、皆様の思い出として心の中に残っていることでしょう。

 

 

 

 

 

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