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古地図と歩く、江戸川乱歩ゆかりの地ぶらり【名古屋編】

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2022/05/21

古地図と歩く、江戸川乱歩ゆかりの地ぶらり【名古屋編】

『少年探偵団』や『D坂の殺人事件』など数々の名著を残し、日本の推理小説の礎を築いた江戸川乱歩(本名・平井太郎)。

生まれは三重県名賀郡名張町(現在の名張市)ですが、実は名古屋育ちなんです!

そこで今回は「江戸川乱歩ゆかりの地・ぶらり」と題して、名古屋の栄〜大須エリアを巡ってきました。

 

古地図と歩く
「江戸川乱歩ゆかりの地」名古屋編

 戦捷記念碑と路面電車 (元南武平町広小路通)



まずは「愛知県美術館」「ノリタケ栄ビル」近くの交差点へ。

ここは明治31年(1898)年に全国で2番目に開通した路面電車の終点の地で、当時の人気スポットだったのだそう。(江戸川乱歩7歳の頃)

乱歩の子供時代から、栄は名古屋の繁華街だったのですね!

明治34年(1901)には「日清戦役第一軍戦死者記念碑」も建てられましたが、大正9年に覚王山へ移築されました。

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少し西側へ進み、栄のメインストリートである大津通まできました。

 

いとう呉服店跡 (現スカイル)


建設中のいとう呉服店(中区史より)

 

続いては、広小路通にある「スカイル」へ。

ここには、明治43年(1910)に名古屋ではじめての百貨店をオープンした「いとう呉服店」がありました。現在の松坂屋の前身です。

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住所:愛知県名古屋市中区栄3丁目4−5

 

江戸川乱歩旧居跡記念碑 (現スカイル前公道)

そんなスカイルの前に令和2年(2020)に設立されたのが、「江戸川乱歩旧居跡記念碑」。

乱歩の幼少期・青年期に一番長く住んだ場所近くに、彼の業績を顕彰するための記念碑を建立しようとプロジェクトがスタートしました。

▼詳しくはこちら

石碑のデザインのモチーフは『怪人二十面相』。シルクハットが素敵ですね!

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住所:愛知県名古屋市中区栄3丁目4

 

居宅の変遷(中区周辺)

3歳の幼少期から高校を卒業する青年期までは、愛知県名古屋市で過ごした江戸川乱歩。中学を卒業するまでに、名古屋市内(すべて栄周辺)で4回も引っ越したとされています。

<乱歩が暮らした名古屋市の地域>
・園井町(現在の中区錦1〜3丁目の一部)
・葛町(現在の中区松原のあたり)
・南伊勢町(現在の中区栄3丁目あたり)
・栄町(現在の中区栄・錦あたり)

少しだけ居宅の変遷を追ってみましょう。

 

父の転職に伴い、明治30年(1897)に名古屋市に移住した江戸川乱歩。

最初に暮らしたのは旧園井町(現在の中区錦1〜3丁目の一部)。詳しい住所まではわかりませんが、この辺りではないでしょうか。

名古屋は戦後区画整理と道路拡張が進んで昔の面影がほとんどありませんが、古地図と照らし合わせながら「ここかな〜?」と想像するのも、ゆかりの地散策の醍醐味です。

Googleマップ

 

その後、江戸川乱歩は葛町(現在の中区松原のあたり)を経て、南伊勢町(現在の中区栄3丁目あたり)に引っ越します。

江戸川乱歩自身が編みあげた年譜『貼雑年譜(ハリマゼネンプ)』にも下記のように記されています。

私の父の店は名古屋市の元の株式取引所の前にあったので、そこに並んでいる株式仲買人(今の証券会社)の子供たちとよく遊んだ。

こんな名古屋の中心地で、乱歩少年は遊んでいたのですね。

Googleマップ

 


白川尋常小学校(中区80年史より)

そこから少し歩いたところにあるのは、明治34年(1901)に江戸川乱歩が入学した「白川尋常小学校」跡。現在のナディアパークの東隣の辺りです。

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貸本屋 大惣跡(現中区錦2丁目10番辺り)

続いては、江戸後期から明治にかけて名古屋長島町(現在の錦二丁目)に存在した貸本屋「大野屋惣八」、略称「大惣(だいそう)」があった場所へ。

当時、“日本一の貸本屋”と言われ、最多で約3万点の蔵書を誇ったのだそう。シェークスピアの研究者としても高名な坪内逍遥(つぼうちしょうよう)が頻繁に通っていたことでも有名です。

乱歩が中学1年生のときに貸本屋で借りた黒岩涙香の『幽霊塔』が彼の原点とも言われています。記録には「貸本屋」としか記されていませんが、おそらく園井町近くの「大惣」だと言われています。

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御園座


開業当時(明治30年)の御園座

 

明治30年(1897)に高級娯楽施設としてオープンした「御園座」。

乱歩と御園座の出会いは「ジゴマ」。ジゴマとは、1911年にフランスで製作された同名の新聞連載小説を原作とする映画です。日本でも爆発的な人気となり、子供時代の乱歩もジゴマの劇映画に大興奮し、3晩も続けて観に行ったのだそう。

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住所:〒460-8403 愛知県名古屋市中区栄1丁目6−14

 

最後は大須エリアへ足を伸ばしてみましょう。

 

大須ホテル跡(旧中区若松町、現中区大須1-21辺り)

江戸川乱歩が名古屋に来る際に定宿していた「大須ホテル」の跡地へ。

伏見通ができる際に大部分が道路となり、当時の面影は全くありませんが、おそらくこの辺り。

当時スランプ時期だった乱歩は、自身が気に入らなかった『押絵と旅する男』の原稿をこの大須ホテルに捨ててしまったのだとか。日本の探偵小説史を語る上で、重要な場所と言われています。

Googleマップ

 

これにて「江戸川乱歩ゆかりの地の散策」の名古屋編は終了です。

名古屋は戦後の区画整理によって当時の面影が残っていない場所も多いですが、「この場所に、あの江戸川乱歩がいたのか!」と、当時に思いをはせることができました。

 

【イベント情報】

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2022春江戸川乱歩の不完全な事件帖ポスター

詳しくはイベント特設サイトをチェック!
https://www.meijimura.com/lp/spring2022/

 

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メイジノオト編集部

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