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隅田川新大橋
隅田川に架かっていた鉄橋「新大橋」の一部。当時の日本橋浜町から深川安宅町間へ架かる橋として、多くの人々に利用されました。
隅田川には江戸時代以来、木橋が架けられてきましたが、明治の半ば頃から次第に鉄橋に架け替えられました。この新大橋もその一つで、明治41年(1908)に起工され、同45年(1912)に開通。明治村には、日本橋側に架かっていた1径の半分、約23mの部分が移築されています。
設計監理は、まだ東京市であった頃に市の営繕(えいぜん)を担当していた技術者達によるもの。日下部辨二郎、樺島正義らの名前が記録されています。鉄材はアメリカからカーネギー社の製品を輸入し、石材は常陸の石を使いました。
建設年 | 明治45年(1912) |
村内所在地 | 5丁目55番地 |
旧所在地 | 東京都中央区浜町から江東区深川 |
文化財種別 | 登録有形文化財 |
登録年 | 平成16年(2004) |
解体年 | 昭和49年(1974) |
移築年 | 昭和50年(1975) |
目次 - Index -
鑑賞ポイント
新古典様式やアールヌーボー調が融合
端にある橋門構(きょうもんこう)には、鳥居型の主構の上に、大きな橋銘板を囲む妻飾りが載っています。これは、東京市の市章にあった唐草や球体などを、鉄を加工して模したもの。左右の袖高欄には、飾り電燈の親柱をはじめとした白い花崗岩の彫刻が施され、新古典様式の荘重な意匠を感じさせます。
一方で、橋上の歩道手すりは細かな鉄材を組み合わせ、曲線を多用した軽やかなアールヌーボー調のデザイン。
竣工してからまもなく、橋を渡る市電が開通し、橋の役目はますます高まりました。
大正12年(1923)の関東大震災では、他の鉄橋が落ちる中で、この新大橋だけが残り、避難の道として多数の人命を救ったといわれています。
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