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今なお愛され続けている、美しい蛍光緑が目を惹く「ウランガラス」の秘密とは。

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アート カルチャー

2021/08/14

今なお愛され続けている、美しい蛍光緑が目を惹く「ウランガラス」の秘密とは。

岩下 加奈

記者

ライター岩下 加奈

蛍光緑の光を放つ「ウランガラス」。光により輝きを放つガラスとして約200年前にチェコで誕生しました。今回は、人々を魅了するウラングラスの特徴から、国内にある世界で唯一のウランガラス専門の美術館などをご紹介します。

朝日や夕日の光で表情が変化するウランガラス

ウランガラスとは、着色剤として放射性物質ウランをごくわずかに混ぜたガラスのこと。1830年代にチェコで誕生し、ヨーロッパ各国へ広がり、食器や花瓶などのガラス製品が大量に作られました。

主に黄色や緑色をしたガラスで、紫外線でこのガラスを照らすと蛍光色に輝きを放つことから、昔から愛され続けていました。朝日や夕日に照らすと蛍光の緑色が薄くなったり濃くなったり。変化を楽しむことができます。

蛍光緑色の他に、乳白色やピンク、オレンジなどの色もあるそう!現在はウランが有害な放射性物質であるとされているため新規に製造することが難しいとされており、古い製品がアンティーク専門店などで取引されているそうです。普遍的で長く愛されるデザインと色合いは、見るだけで心躍ります。

 世界初のウランガラス専門の美術館が岡山に!

希少価値の高いウランガラスですが、なんと2006年に岡山県鏡野町で、世界的にも珍しいウランガラス専門の美術館「妖精の森ガラス美術館」が誕生しました。ここは、19世紀のボヘミアガラスの名品から現代に至る、世界各国のウランガラスを数多く展示しています。

昭和30(1955)年に上齋原村(現:鏡野町上齋原地域)の人形峠で、ウラン鉱床の露頭が発見されました。その後、オリジナルのウランガラスを作るために、ガラス工房を併設した美術館を計画したのです。

【妖精の森ガラス美術館】
所在地    :〒708-0601 岡山県苫田郡鏡野町上齋原666−5
営業時間:9:30-17:00(入館は16:30まで)
定休日 :火曜日、年末年始※火曜日が祝日の場合は開館
https://fairywood.jp

明治村に移設された品川硝子製造所も見どころ!

ウランガラスの製造は明治に始まり、大正から昭和初期に盛んになりました。明治6(1873)年ガラス工場としてイギリス人の技術者を雇い、日本にガラスを広めたのが「品川硝子製造所」です。

ここでは、ウランを輸入していたという記録が。日本のウランガラス製作発祥とされる製造所です。現在は明治村に移設されています。

このように、暮らしの器として幅広く活用されていたウランガラス。実際にウランガラスを見ることができる美術館もあるので、その美しさを体感してみてはいかがでしょうか?

INFORMATION

妖精の森ガラス美術館

所在地

〒708-0601 岡山県苫田郡鏡野町上齋原666−5

営業時間

9:30-17:00(入館は16:30まで)

定休日

火曜日、年末年始※火曜日が祝日の場合は開館

電話番号

0868-44-7888

公式サイトURL

https://fairywood.jp/

Writer

岩下 加奈

記者

ライター岩下 加奈

愛知県豊橋市在住。雑誌編集の専門学校を卒業し、10年ほど地元出版社に勤め、さまざまな媒体の編集長を経験。東三河エリアを中心とした住宅情報誌編集長を勤める。2014年に独立し、名古屋や東京などの雑誌・WEBライティングや編集を行い年間1000件以上取材をこなす。豊橋市役所広報アドバイザー、東三河魅力発信の講師活動、審査員等も務める。地域に関すること、暮らし、住宅の執筆が得意。趣味はサーフィン。家族みんなでサーフィンをするのが日々の楽しみ。