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西郷從道邸
西郷隆盛の弟、西郷従道が建てた住宅のうち、接客用に設けられた洋館。従道は陸海軍の大臣を歴任していたため、在日外交官の来客も多く、明治22年(1889)には明治天皇の行幸も仰ぎました。
設計にはフランス人レスカスが関与していると伝えられ、建築金具や階段などをフランスから取り寄せているほか、2階には日本三景が描かれた陶板で飾った暖炉も設置されています。
この建物は耐震性を高める工夫がなされています。屋根には軽い銅板が葺かれ、野地板が斜めに張られているほか、外壁は柱間に落とし込んだ本実下見板張りとなっています。
建設年 | 明治13年(1880) |
村内所在地 | 1丁目8番地 |
旧所在地 | 東京都目黒区上目黒 |
文化財種別 | 重要文化財 |
指定年 | 昭和40年(1965) |
解体年 | 昭和38年(1963) |
移築年 | 昭和39年(1964) |
目次 - Index -
鑑賞ポイント
ポイント01|和洋折衷の内部造作
2階主室にある暖炉の額縁飾りは瀬戸焼で、日本三景と富士山が描かれています。また、1階玄関横の婦人室の暖炉の額縁は、漆塗りです。
窓上のカーテンボックス、手すり、扉金具、天井に張られた押し出し模様の鉄板など、内部の装飾はほぼすべてが外国製のものとされています。
ポイント02|美しさと機能性を兼ね備えたまわり階段
流れるような曲線を描いたまわり階段は、見た目の美しさはもちろん、昇り降りが大変楽という優れたものです。手に優しくなじむ手すりとともに、上方へと人をいざないます。
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