記者
ライター溝呂木 真弓
2021/08/21
明治時代の建造物を展示している明治村ですが、建物を案内するスタッフさんたちは、その建物に合わせた衣装を身にまとい、当時の暮らしをイメージできるよう色々な演出をされています。
スタッフさんの衣装には、どのような思いやこだわりがあるのか、着物をもっと身近に感じる着こなしにもぜひご注目ください!
まずは、西園寺公望別邸「坐漁荘」(ざぎょそう)を訪れました。
「ゆっくり座って魚でも釣るか」という意味を込めた「坐漁荘」は、第12・14代内閣総理大臣を務めた西園寺公望が、引退後に清水湾近くの興津(おきつ)に建てた別荘です。
ガイドをするスタッフさんのお一人。シックで落ち着いた着物で、建物の雰囲気にぴったりです。
西園寺公望は竹を好んだそうで、天井や欄間などいたるところに竹の装飾が使われています。その雰囲気に合わせて、着物も竹の柄をあわせているんだとか!
帯の色を着物の柄に使われている「からし色」に合わせることで、まとまった雰囲気に。
こちらの着物は、スタッフさんのお祖母様から譲り受けたアンティークものだそうです。お客様に喜んで頂けるよう、こちらの建物を案内するときは、雰囲気に合った着物で盛り上げていますよ。スタッフさんは「西園寺さんも喜んでくれるかな」と話してくださいました。
続いては、芝居小屋の呉服座(くれはざ)を訪れました。
大阪府池田市に建てられた江戸時代の雰囲気が残る芝居小屋です。客席は桝席に区切られています。
こちらがガイドさんのお一人。赤レンガ色の外観とマッチした着物でお迎えいただきました。裏地のない単衣(ひとえ)は涼し気ですね。
カラフルなガーベラ柄の半襟を合わせることで、ポップな印象に!賑やかな呉服座の雰囲気にぴったりですね。
同系色の草履と、花の刺繍入りの足袋を合わせていました。足元からもこだわりを感じます。
着物に描かれている花はユリです。着物・帯・半襟にさまざまな花柄が入ると艶やかに見えますが、赤レンガ色の同系色でコーディネートすることで統一感が出ていますね!
最後に訪れたのは西郷從道邸です。
明治10年代に西郷隆盛の弟從道が接客用に建てた洋館です。
これまでの和装とうって変わって、ドレス姿のスタッフさんです。
この優雅な雰囲気の建物に合わせて、上流階級の奥さまという設定なのだそう。
襟元と袖口の白いレースが印象的です。レースと光沢のあるリボンが、高級で上品な雰囲気を演出していますね!
時代背景に合わせて、当時上流階級の女性たちが社交の場で着ていたバッスルスタイルというドレスです。スカートの後ろにボリュームを出しているのが特徴です。
この洋館に溶け込むような優雅なドレスですね。
建物を案内するスタッフさんだけでなく、村内で働くスタッフさんもその場に合った衣装を着て、雰囲気を盛り上げています。
こちらのスタッフさん、受付業務をする日は、和装姿でお出迎えしてくれます。
お掃除やメンテナンスの日は動きやすいもんぺに着替えるそうです。
受付を担当するスタッフさんは袴姿でした。
いかがでしたか?明治村のスタッフ一人一人が、「明治」の雰囲気をお伝えするため、時代背景やテーマに合わせた着こなしで、お客様をおもてなししています。その熱意が、ちょっとしたデザインだったり、着こなしに表れているのですね。ぜひ注目してみてくださいね。
明治村では6つの建物で、学芸スタッフによる建物ガイドを行っています。
建物ガイド(約15分)
建物ガイドイマーシブ(約30分)
※開催日と実施時間は公式WEBサイトにてご確認ください。
記者
ライター溝呂木 真弓
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