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東松家住宅(重要文化財)

東松家住宅(重要文化財)

2丁目18番地

旧所在地 名古屋市中村区船入町
建設年代 明治34年(1901)頃

東松家住宅は名古屋の中心部堀川沿いにあった商家である。東松家は明治20年代後半までは油屋を生業とし、その後昭和の初めまで堀川貯蓄銀行を営んでいた。

塗屋造という江戸時代以来の伝統工法で建てられているこの建物は、創建以来、再三の増改築を経ている。江戸末期、平屋であったものを、明治28年後方へ曳家(ひきや)の上、2階の前半部を増築して現在の店構えを完成させ、明治34年3階以上を増築したらしい。

江戸時代にはいかに富裕でも武家以外のものが三階建ての建物を造ることは許されず、慶応3年(1867)に なってはじめて京都、東京でこの禁令が解かれ、以後順次全国で認められるようになった。しかし、大正8年に市街地建築物法により木造高層住宅が禁止されたので、3階建以上の木造住宅はわずか50年ほどの間しか造られなかった。名古屋城から伊勢湾へと流れる運河堀川に面したこの商家は、間口が狭く奥行の深い典型的な町屋である。2階には露地にみたてた廊下、待合、原叟床風の床框や墨蹟窓などを備えた茶室が設けられている。又、正面の壁が三階まで直立していのは日本の建築になかったもので、ビル化する商店建築の先駆けと言えるものである。

1階左側に裏まで抜ける通り土間を通し、右側にミセ、座敷などを連ねている。通り土間の上を3階までの吹き抜けにし、高窓から明かりを入れているので、奥行きが深いにもかかわらず室内は予想外に明るい。2階3階は住まいのための部分であるが、吹き抜けに面して茶室が設けられている。茶室には露地にみたてた廊下、待合、原叟床風の床框や墨蹟窓などが備えられ、当時の商家の趣味の一端がしのばれる。


  • 土間から吹き抜けをのぞむ

  • 3階 一部屋ごと段差を設けている

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