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2024.05.17
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博物館明治村入村者数 累計5000万人到達記念 館長コメント
博物館明治村入村者数 累計5000万人到達を記念して
2024.5.17
明治という時代は、日本の長い歴史上でも伝統と新しい時代という意味での近代の確執が最も激しく渦巻いた時でした。人生に例えれば、まさに青春の時代だったのです。ところが1960年代に入ると、日本は高度経済成長の時代に入り、明治時代の精神を象徴する多くの歴史的建造物などのかけがえのない文化財が、消滅の危機に瀕していました。同時に、1968年に明治維新100年を迎え、懐旧明治の気運も盛り上がりつつある時機でありました。そんな中、1965年3月18日に、移築建造物15棟をもって博物館明治村は出発しました。全国で貴重な建物の取り毀しの報があれば、すぐに建築専門委員が現地に飛び、先ず現地保存を説得、止むを得ない場合に次善の策として移築を協議し、建物の歴史的価値を損なわないように修復し、歴史的資料や生活行事の設いとともに保存展示を心がけてきました。その際、極力その建物があった元の敷地の風景を彷彿させるよう配置には工夫をしましたが、尾張富士の里山が入鹿池に流れ込む変化に富んだ環境が幸いしました。自然、歴史、都市に調和した、本物が育む明治という時代の空気感を皆様に体感していただきたいと願ってきました。
現在、国の重要文化財建造物11棟、同歴史資料3件、その他国の登録有形文化財建造物等計64棟を中心に、各建物の特徴にちなんだ常設・特別展示や四季の飾り、蒸気機関車等の動態展示、謎解きゲームでたどる歴史的建造物の細部、子供の昔遊び、文豪グルメ等々をもって皆様に楽しんでいただいております。そしてこの2024年5月17日に、累計入村者数5,000万人もの方々をお迎えいたしました。かくも多くの人にご愛顧いただいたことに感謝申し上げます。
コロナ禍で全国、全世界が苦しんでいた時、細心の工夫と合間を縫って開村した折、「ああ明治村が開いていてよかった!」と言っていただいた来村者の声を励みとして、次の6,000万人の入村者を目指して、明治村スタッフ一同邁進してまいります。
博物館明治村 館長 中川武