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二頭曳きの優雅な馬車

儀装車

信任状捧呈式の際に大使館などから皇居への往復に使用されたものです。
C型スプリング、楕円型スプリングとそれぞれ呼ばれるバネを用い、まるで揺り篭のような乗り心地といわれています。

製作年代 1909(明治42)年
製作者 宮内省

目次 - Index -

    儀装車は皇室の重要な儀式に使用される馬車です。
    使用する用途によって1号から4号に分かれ、この馬車は外国の特命全権大使が日本へ赴任した際、その国の国家元首から託された信任状を天皇へ捧呈する儀式の送迎に用いられた4号です。

    この馬車は二頭曳座馭式船底型割幌式馬車といわれる形式の4人乗りの馬車です。
    写真右側の赤い布が敷かれた部分が馭者台で、写真手前の梶棒の先に二頭の馬が繋がれ、馭者が二頭の手綱を握って馬を操作します。
    車箱と呼ばれる人が乗る部分の底は船底のように製作され、幌は前後に開閉します。

    車体は漆で塗られ、当時の宮内省で製作されたものですが、部品は海外から取り寄せたものもあるようです。

    現在も信任状捧呈式の際に、儀装車が用いられることがあります。現在は交通事情を鑑み、大使館からではなく、東京駅から皇居への往復となっています。

    この錦絵は明治天皇が帝国議会へ行幸される様子を描いたもので、天皇が乗られているのは屋根には鳳凰の装飾を戴いた1号の儀装車です。

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