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餅なのに「鏡」?2つ重ねる理由とは? 鏡餅にまつわる豆知識

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2021/12/29

餅なのに「鏡」?2つ重ねる理由とは? 鏡餅にまつわる豆知識

いずのうみ

記者

ライターいずのうみ

お正月に向けて、門松やしめ縄、鏡餅などの「お正月飾り」を準備しているご家庭も多いのではないでしょうか。日本では昔から、新年を迎える前にこれらを家に飾っておく風習が受け継がれていますが、どういった意味が込められているかご存知ですか。

今回は、お正月の象徴として描かれることも多い「鏡餅」について、名前の由来や意外な歴史をご紹介します!

 

鏡餅とは?

しめ縄や門松の正月飾りは、お正月に家々を訪れる年神様をお迎えするための目印となり、鏡餅は神様に滞在していただくための「依り代(よりしろ)」です。

鏡餅は、大小2つの丸い餅を重ねたものを指し、上に橙が載っているものを見たことがある人も多いでしょう。古くは源氏物語にも鏡餅と考えられる表現があることから、平安時代にはすでに存在していたと言われています。

餅なのに「鏡」なのはどうして?

鏡餅の名前は、昔の鏡の形に似ていることからそう呼ばれています。昔の鏡は青銅製の丸形で、神様との関わりも深いものでした。この世のあの世の境界とも考えられ神事で用いられたり、光を反射して太陽のように光るために、日本神話で太陽の神様とされる天照大神に見立て御神体として祀られたり、神聖なものとして考えられていたのです。

また、鏡餅は日本書紀に出てくる三種の神器を表している説があります。餅は八咫鏡(やたかがみ)、橙は八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)、串柿は草薙剣(くさなぎのつるぎ)を表しているという見方も。このほか、鏡餅の形の由来には諸説あり、人の魂がこもる「心臓」を模している、稲作に欠かせない「太陽」の形を意味する、などの説もあります。

鏡餅が2段に重なっている理由

鏡餅は、大小の2つのお餅を重ねることで、月(陰)と日(陽)を表しているとも言われます。幸福と財産(福徳)が重なって縁起がよいと考えられているほか、円満に歳を重ねるという意味も込められているのです。

鏡餅は2段のものをよく目にしますが、地域や置く場所によっては3段のものもあるようです。

 

お年玉の原点は鏡餅だった!?

現在では、お年玉と言えばポチ袋に入った現金のことを言いますが、鏡餅(丸餅)がお年玉の役割を担っていました。

年末にお供えする鏡餅は、1月11日に鏡開きをしてお雑煮やおしるこにして食べます。年神様が宿る鏡餅を食べて運気や力を体に取り入れることで、その一年の健康と豊作にあやかれると考えられていたためです。鏡餅は、年神様の代理人とされる家長が家族に分け与え、この餅を「歳魂(としだま)」と呼んでいたことから、お年玉の由来は鏡餅だとされています。

なお、お年玉がお金になったのは江戸時代からはじまり、昭和の高度経済成長期に広く浸透したと言われています。明治時代には、家庭によって丸餅が渡されたり、お金が渡されたりしていたのですね。

 

明治村もお正月の装いに!

明治村では、例年各建物の旧所在地にちなんだお正月飾りを設置しています。明治時代の建物に立派な門松やしめ縄が飾られると、とっても絵になりますね。

明治・文明開化の象徴でもある牛鍋が食べられる大井牛肉店では、旧所在地にちなみ、関西地方でよく見られる「大根締め」と呼ばれるしめ縄を飾っています。

大根締めは、先端に向かって徐々に細くなるしめ縄です。三重県の職人さんに毎年作ってもらっています。

お正月には豪華に本格牛鍋を楽しんでみてはいかがでしょうか。

建物内の床の間などには、その地方ならではのお正月飾りをしています。外観は洋館、室内には和室もある和洋折衷の建物、「芝川又右衛門邸」では芝川家がもともと大阪の唐物商であったことから、大阪の大店(おおだな)での正月飾りを再現しています。

「檳榔樹(びんろうじゅ)」の床柱からさがる飾りは「掛け蓬莱(ほうらい)」。大阪・京都周辺で見られる飾りです。由来は、中国の伝説で仙人が住み、不老不死の地とされる霊山・蓬莱山に昇る龍に見立てられているという説や、縁起の良い尾長鶏を模しているなど諸説ありますが、この飾りには長寿への願いが込められています。(芝川又右衛門邸へは、建物ガイドにご参加いただくと内部をご覧いただけます。)

正月飾りは地域によって呼び方も見た目の特徴も変わるため、いろいろな正月飾りが一度に見られるのは興味深いですね。

明治村では元旦から1月30日まで、各建造物の旧所在地にちなんだお正月飾りが見られる「日本各地の門松・しめ縄めぐり」が開催されます。限られた期間しか見られない正月の装いをした明治村へ、ぜひ足を運んでみてくださいね。

 

INFORMATION

日本各地の門松・しめ縄めぐり

開催日時

2022(令和4)年1月1日(土・祝)~30日(日)※門松は10日(月・祝)まで ※休村日を除く

Writer

いずのうみ

記者

ライターいずのうみ

愛知県名古屋市在住のライター・編集者。コピーライター3年、広告代理店でメディア編集者3年を経て、現在はフリーランスとして活動しています。これまでに金融やSDGs、ファッション、美容などさまざまなジャンルのメディアを担当してきましたが、グルメと旅行のジャンルが最も得意です。趣味は国内旅行(47都道府県制覇!)、読書、お酒。犬と猫を飼い、毎日楽しく過ごしています!