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現代の「遊び」にもつながるフレーベルの「恩物」とは?展覧会「『恩物』の世界ードイツの知育玩具」へ行ってきました!

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カルチャー 明治時代の文化 暮らし

2021/11/23

現代の「遊び」にもつながるフレーベルの「恩物」とは?展覧会「『恩物』の世界ードイツの知育玩具」へ行ってきました!

安井弥生

記者

フォトグラファー安井弥生

『子どもにとって「遊びを通して学ぶこと」はとっても大切。』
現在となっては当たり前すぎるこの考え方も、
実は明治時代にルーツがありました。

19世紀ドイツの教育者フレーベルが、子どもにとって「遊びを通して学ぶこと」が大切なことを主張し、はじめて子どもが子どもらしく過ごすことのできる幼稚園がつくられました。
誰でも一度は遊んだことがある積み木の原型をつくったのもこのフレーベルです。

昔も今も変わらない最もスタンダードなおもちゃのひとつ積み木のはじまりとなった「恩物」という知育玩具。
この「恩物」の世界をのぞいてきました!

今回は明治村で開催されている展覧会「『恩物』の世界ードイツの知育玩具」へ行ってきました!
正門から2丁目のレンガ通りを抜けていくと見えてくる「千早赤阪小学校講堂」で開催中です。

 

「恩物(おんぶつ)」って何だろう?

「恩物」とは、「Gabe(ガーベ)」というドイツ語を日本語に訳したもので、子どもたちが楽しく遊びながら学べるようフレーベルが生み出した一連の知育玩具のことをいいます。

積み木以外にも、今もおもちゃ屋さんで見かけるおもちゃや、私たちがよく知っている遊びの中には「恩物」から発展したものでは?と感じるものも多くあることに気が付きます。

展覧会では現行品だけでなく、明治から大正にかけて使用された「恩物」も一緒に展示されています。

「恩物」にさわって体験できるコーナーもあります。

 

親子で一緒に「恩物」の広がりを楽しもう!

ぎゅっと握ったり転がしたり、生まれたばかりの赤ちゃんにも安心な柔らかい素材でできた「第1恩物」の球。
当初フレーベルが考えたのものは羊の皮でつくられたものでした。

体験した中で子どもたちが一番興味を持っていた「第2恩物」。ひもでぶら下がった球体、円柱形、立方体をくるくると回すことによって、それぞれ違った形に見える不思議な変化に、大人もじっと見入ってしまうくらいでした。

積み木の原型となった「第3恩物」(左上)、「第4恩物」(右上)、「第5恩物」(左下)、「第6恩物」(右下)。

IQテストを思い起こさせる立方体の集合からはじまり、直方体や三角柱などを組み合わせ、数が増えていきます。積み上げて、並べて、面や高さの大きさの違いを感じたり、建物に見立てたりして遊びます。一辺の長さが3cmの基準でつくられているので、子どもの手にも扱いやすい大きさです。

明治村に移築されている「帝国ホテル」を設計するなどで有名なアメリカ人建築家のフランク・ロイド・ライトも小さい頃よく遊んでいたとのこと。積み木は数学的、建築学的な想像力を養うのにもおすすめです。

「第7恩物」は、カラフルで3㎝を基準とした正方形や三角形などの幾何学形体の木製の色板。一方で、大正時代のものはよく見ると丸の形が少しいびつだったり、色も渋くてモダンな味わいがあります。並べて模様をつくったり、積み木の恩物と組み合わせて、楽しみながらデザインセンスや美的感覚が磨かれます。

「第8恩物」は、3cmの倍数で5種類の長さが用意された木の棒。模様をつくったり、どの長さの棒を組み合わせると同じ長さになるか比較をしたり、簡単な漢字やカタカナなどの文字をつくっても面白いかも。床いっぱいに広げて遊んでみたくなります。

「第9恩物」は、大、中、小の環(わ)と、それぞれの半分の形の、全部で9種類の環です。大きさを比べたり、図案や模様をつくって遊びます。「第8恩物」と比べると少し柔らかいデザインが生まれそうです。

「第10恩物」はじゃらじゃらと触ってみたくなるような無数の「粒」。並べて線や面をつくってみたり、分ける、多い・少ないなど数の学びにもつながります。

 

実際に体験してみました

「第2恩物」。くるくる回って元の形とは違う形に見えはじめると「どうしてなんだろう?」と興味津々です。

見たことのない独特な回し方も教えてもらうと「やってみたいっ。」が止まりません!

「第5恩物」。三角柱も大きさが違うものがある中、よく見ているとどうしたら崩れないかと選んで積み上げていました。ぴったりと入る箱に戻すのも、頭の体操になりました。

自分でできるまで何度もくり返す真剣な表情にびっくり。いつまでもやってられそうなくらい無言で集中していました。

 

重要なのは大人が寄り添い、時には声をかけ安心感の中で子どもが自発的に遊ぶこと。

自由な発想や感性で子どもたちが楽しみながら学んでいけるように「恩物」には、シンプルな中にもたくさんの工夫が隠れていました。

子どもたちが夢中で遊ぶ様子に「生まれながらにしていろんな可能性を秘めている子どもこそが「恩物」」というフレーベルの考え方そのものの姿が見えました。

これまで一部にしか知られていなかった知育玩具「恩物」は、これから保護者・大人と乳・幼児のコミュニケーションツールとして新しいブームになるかもしれません。

展覧会「『恩物』の世界―ドイツの知育玩具」
開催日:2021年9月11日(土)~12月12日(日)
場所:博物館明治村 千早赤阪小学校講堂
料金:300円 ※中学生以下は無料  ※別途入村料等必要

INFORMATION

博物館明治村

所在地

愛知県犬山市字内山1番地

営業時間

月毎に変更します。詳細はHPでご確認ください。

定休日

不定休。詳細はHPでご確認ください。

電話番号

0568-67-0314

料金

大人 2000円 シニア・大学生 1600円 高校生 1200円 小中学生 700円

公式サイトURL

https://www.meijimura.com/

Writer

安井弥生

記者

フォトグラファー安井弥生

1978年愛知県生まれ。名古屋市在住のフォトグラファー。デザイン事務所、百貨店内写真室での勤務を経て、2017年よりフリーランス。企業や病院、雑誌やWEB用の人物や料理、商品などの撮影をしています。企業やフォトスクール、市民講座などでの講師経験もあり。一児の母。
趣味は旅行と読書。とくに東南アジアが好きで、愛読書は、沢木 耕太郎の「深夜特急」や小林 紀晴の「アジアン・ジャパニーズ」など。

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