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2025/06/29
普段見ることができない非公開エリアや人気の写真スポットを巡る!
明治村60周年記念「特別ガイドツアー」
博物館明治村は、2025年3月18日に開村60周年を迎えたことを記念して、「特別ガイドツアー」を実施中です。
4月から12月にかけて開催される特別ガイドツアーでは、普段見ることができない非公開エリアや人気の写真スポットを巡る「“推し建物”ガイド」と、テーマごとに複数の建物を巡る「“とっておき”ガイドツアー」の2種類が楽しめます。
今回は、「“とっておき”ガイドツアー」を体験してきましたので、その様子もご紹介します。
毎月「6」のつく日は“推し建物”ガイド【予約不要】
本郷喜之床 外観
清水医院 内観
毎月「6」のつく日(6日、16日、26日)に実施される「“推し建物”ガイド」。普段は入ることができない部屋や、インスタ映えする写真スポットを案内してくれます。
このガイドツアーは予約不要で参加費は無料です。
4月には「本郷喜之床」、5月には「清水医院」、6月には「芝川又右衛門邸」、7月には「大明寺聖パウロ教会堂」などが予定されています。(※場所は予告なく変更する場合がございます。)
実施日 :4月から12月まで毎月6日、16日、26日
実施時間:①10:30〜12:00 / ②13:30〜15:00
参加費 :無料
「0」のつく日は! “とっておき”ガイドツアー【事前予約制】
森鷗外・夏目漱石住宅
聖ザビエル天主堂 内観
“とっておき”ガイドツアーは、毎月異なるテーマに沿って複数の建物を巡るツアーです。こちらのツアーは事前予約制で、アソビューのサイトより受付中です。
実施日 :4~12月の10日、20日、30日(いずれも休村日を除く)
実施時間:①11:00~ / ②13:30~(各回約60分)
参加費 :500円
定員 :各回15名
今後のテーマと開催日
※テーマは変更となる場合がございます。
・5月: 教会堂を巡る(聖ザビエル天主堂など)
集合場所:大明寺聖パウロ教会堂
実施日:5月10日、20日、30日
・6月:移民ゆかりの建物を巡る(ブラジル移民住宅など)
集合場所:ブラジル移民住宅
実施日:6月10日、20日、30日
・7月: 囚人監獄ツアー(金沢監獄中央看守所・監房など)
集合場所:東京駅警備巡査派出所
実施日:7月10日、20日
>>“推し建物”ガイドと“とっておき”ガイドツアーの詳細・ご予約はこちら
“とっておき”ガイドツアーに参加してきました!
「“とっておき”ガイドツアー」に参加してきましたので、その様子を少しご紹介します。4月のテーマは「文豪ゆかりの建物を巡る」。
明治の文豪・森鷗外と夏目漱石が、時を経て相次いで借家した和風住宅「森鷗外・夏目漱石住宅」を中心に巡る、とても見応えのある内容でした。
今回は写真とともに、当日の見学の様子をレポートしていきます!
ポイント① 近代住宅への芽吹きが見える明治時代の中流住宅
まず案内してもらったのは、「森鷗外・夏目漱石住宅」。ガイドさんの説明によれば、この住宅は当時の典型的な中流住宅。注目すべきはその間取りです。
田の字型を基本としつつ、女中部屋の前にはごく短いながらも中廊下があり、これは現代の住宅に見られる“部屋の独立性”を感じさせる設計。南面には書斎が張り出しており、これが後に洋間=応接間へと発展していったそうです。
「なるほど、明治の家ってこうして“現代”につながっていくんだな」としみじみ。
ポイント② 奇しくも二人の文豪が住んだ家の物語
「森鷗外・夏目漱石住宅」と名付けられたこの住宅には、2人の文豪が10年の時を経て借家した歴史があります。
もともとは、医者の中島襄吉氏の、新居として建てられた家でしたが、仕事の都合で空き家に。その間、軍医として活躍していた森鷗外が借り受け、明治23(1890)年に入居します。この年、鷗外は処女作『舞姫』を発表し、ドイツ三部作「文づかひ」をこの家で執筆しています。まさにこの家から文筆家としての道を歩み始めたタイミングでした。
軍医としての本業のかたわら、雑誌『しがらみ草紙』の刊行も行うなど、精力的に創作活動を行った鷗外にとって、この家は重要な転機の場だったのです。
その後、この家は歴史学者・斎藤阿具(さいとうあぐ)の父が購入。阿具がドイツ・オランダに留学中だったため、借りたのが、阿具の親友でもあった夏目漱石でした。
漱石はこの家に明治36(1903)年から明治39(1906)年まで住み、『吾輩は猫である』『坊っちゃん』『草枕』といった名作の数々を執筆。二人の文豪が、時をずらしながらも同じ屋根の下で創作活動を行っていたというのは、文学ファンにはたまらないロマンを感じさせます。
ポイント③ 夏目漱石が執筆した姿に思いを馳せる書斎
書斎には、夏目漱石が愛用していたことでも知られる朝日(タバコ)も再現されています。
こちらは、漱石が執筆していたとされる書斎。実際に文机や座布団などが置かれ、まるで時間が止まったかのような静かな空間です。
この部屋で『吾輩は猫である』や『坊っちゃん』が生まれたのかと思うと、思わず背筋が伸びます。書斎には実際に座ることもできるので、漱石が執筆していた当時の雰囲気を体感できます。
ガイドツアーでは、建物や暮らしぶりの紹介に加え、この建物を舞台に書かれたと言われている『吾輩は猫である』にまつわる興味深いエピソードも聞くことができました。
初版本のデザインにおいては、漱石自身の趣向が強く反映された装丁で、美しい本を作りたいという漱石の想いが感じられます。袋とじ状態でページをペーパーナイフで切る「アンカット」という綴じ方も特徴的で、普段は聞くことができない貴重なエピソードも教えていただきました。
こういったお話が聞けるのもガイドツアーならではの魅力です。作品を改めて読み直したくなりました。
ポイント④ 音声ガイド機器で快適見学!
今回のツアーでは音声ガイド用のレシーバー機器(写真)も導入されています。
ガイドさんの声がレシーバーを通じてイヤホンで聞こえるので、自分のペースで館内を自由に巡りながら、しっかりと解説を楽しめました。周囲の雰囲気を壊さず、没入感のある見学体験が楽しめます。
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