記者
ライター岩下 加奈
2021/08/14
レトロでかわいい!と大人気のフィルムカメラ。デジタルよりも風合いを出すことができ、フィルムカメラを持ち歩いたり、スマホのフィルムカメラアプリで加工やシェアをしたりと、SNSを中心に再注目されています。
現代は、カメラ=楽しい写真を記録する&みんなに見てもらう(シェアする)イメージですが、初めてフィルムカメラが使用されたのは日清戦争でのこと。
今と昔のカメラに対する認識の違いなどをご紹介します。
現代、スマートフォンを持っている人の割合は全国で88.9%。40代以下は9割以上がスマホを所有しています。多彩なアプリも多く登場しており、その中でもフィルム風に撮影できるカメラアプリが話題を集めています。
私が所有しているカメラアプリで活用しているのは「HUJI」です。
(https://apps.apple.com/jp/app/huji-cam/id781383622)
青春時代に愛用していた「写ルンです」風をスマホで撮影することができます。
その他にもおすすめのフィルムカメラアプリはこちら
(https://life-designs.jp/webmagazine/filmcamera-app/)
これらは明治村内で2021年6月1日撮影したもの。レトロな雰囲気で撮影するだけでワクワク楽しくなります!このように、私たちは日々の楽しいことや家族との思い出を残すのが写真の醍醐味だと感じています。
しかし、フィルムカメラが日本で初めて使用されたのは、日清戦争の記録写真だったのです。
国立国会図書館デジタルコレクションより
写真の技術が輸入された幕末当初、日本では湿板・乾板といった扱いが複雑で持ち運びにくい感光材料を使用していました。1826年に登場したのが、化学反応などを取り入れながら保存するフィルムカメラでした。
国立国会図書館デジタルコレクションより
日本で初めてこのフィルムカメラを使用したのは日清戦争でのこと。目的は「敵地を記録するため」です。手軽に持ち運べるフィルムカメラで敵地を撮影することで、どこに何があるのか、重要な場所はどこなのかなどをすぐに把握することができたのです。
国立国会図書館デジタルコレクションより
フィルムカメラ=最先端の軍用品・スパイ道具であり、相手にとっては撮られたくない弱点を記録されてしまうことを意味したのです。
国立国会図書館デジタルコレクションより
地形を撮影するときは、極力人影を入れないことを徹底。戦地で撮影する人は専門の写真家で、敵地を撮影する人、戦場の記録を撮影する人などさまざまな役割を担っていました。
現代は、良い思い出として写真を撮ることが多く、スマホも普及したことでよりリアルな日々の暮らしを撮影している私たち。フィルムカメラを初めて使用したのが戦争での敵地記録という事実……!今と昔の「撮影」に対するギャップを感じました。
記者
ライター岩下 加奈
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